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2025.09.24
ワイ・ヨットストア 麻布台ヒルズ「燕三条 工場の祭典フェア」イベントレポート 前編
はじめに:2025年7月29日から8月12日まで、ワイ・ヨット ストア 麻布台ヒルズでPOPUPイベントを開催いたしました。
「燕三条」と聞いて、皆さんが思い浮かべるのはなんでしょうか。料理好きの方で、ぴんと来た方はかなりの通かもしれません。
新潟県の燕市と三条市からなる燕三条地域は、日本を代表する金属加工の産地です。取り分け、カトラリーや鍋などキッチンに纏わるものが多く生産されています。ワイ・ヨットと燕三条地域の繋がりも長く、品質の良い製品を何年もお取り扱いしてきました。ジャパンメイドがもてはやされるようになった2010年代より、ずっと以前からこつこつと全国に広め続けています。
そのようにものづくりの街として知られる新潟県燕三条地域で、年に一度、130以上の工場や施設が一般に開放され、見学や体験、買い物が楽しめるイベントが「燕三条 工場の祭典」です。今年は2025年10月2日〜5日まで開催されます。
12年目を迎える秋の本開催に先駆け、ワイ・ヨットストア 麻布台ヒルズ店では2025年7月29日から8月12日まで、POP UPフェアを開催しました。生活を豊かに彩る日用品や暮らしを楽しくする雑貨など、選りすぐりの20社の商品が集結し、普段はキッチン用品をメインに扱う店舗でその範疇を超え広く商品をご紹介しました。
今回のフェアは本家「工場の祭典」の公認です。2024年開催時に燕三条を訪れたワイ・ヨットの社員と、工場の祭典の運営責任者が邂逅し、意気投合した事がきっかけで実現しました。これまでの産地とワイ・ヨットとの繋がりを踏まえ、更に未来に向けての新たな取り組みとなりました。
商品紹介:燕三条地域のバラエティに富んだものづくりを一堂に。
工場の祭典の参加メーカーから選りすぐりの商品が並びます。
技術を時代につなげる取り組み「燕市磨き屋一番館」
色も形状も様々の精緻な加工を施したチタンタンブラーが並ぶ中、ひときわ目を引くのがステンレスを鏡面に磨き上げ、漆を施し24金で仕上げた豪奢なぐい飲みです。
こちらは金属研磨職人の後継者を育成する施設「燕市磨き屋一番館」によるもの。製品の価値を大きく左右する最終工程「研磨」の技術を、3年かけて次世代に継承する取り組みから生み出された、燕三条の技術と未来を象徴する製品です。
独自の黒染め技術 「96シリーズ」
カトラリーも個性ある商品が揃いました。株式会社テーエムの「96シリーズ」は独自の黒染め技術を用いたマットな質感が、繊細な造りのカトラリーにぴったり合います。薄く軽やかな造りながら、ステンレスの心地よい重みを感じるシリーズです。
使い心地抜群のカレースプーン「LUCKY WOOD(ラッキーウッド)」
小林工業株式会社の「LUCKY WOOD(ラッキーウッド)」のカレースプーンは持ちやすく口に運びやすい形状で、更に右利き・左利き用を制作しています。今回のイベントで一番の売れ筋となりました。
日本で唯一の鍛造プライヤ
プロの現場で活躍する専門的な道具も並びました。日本唯一のプライヤ専門メーカー、株式会社IPS PLIERSの鍛造プライヤ。プライヤとはペンチのようにワイヤーを掴んだり切断する道具で、ペンチと違い開口幅をものや用途に合わせて調整することができるものです。
ステンレスが描く文様が優美な理美容師専用シザー「景雲(KEIUN)」
株式会社山村製作所からはダマスカス鋼を使用した、見た目にも美しくいかにも切れ味のよい、理美容師専用シザー「景雲(KEIUN)」。
他にも株式会社ヤマトキ製作所の分解して運べる五徳「野良ゴトク」、剣謙心株式会社の頑丈なアウトドア用ナイフなどが並びました。
歯車やねじが生まれ変わったメタルアート「MONOR(モノー)」
一風変わったところでは、新潟県新発田市を拠点に創作活動を行うMONOR(モノー)のメタルアートも。燕三条の工場から出た廃材で日本海の魚をモチーフにして作られたというオブジェにはスチームパンクの趣もあり、スタッフ男性人気№1でした。
燕三条からインスピレーションを得たオー・ド・トワレ
燕三条のものづくりは金属だけにとどまりません。株式会社マサコー山口木工のブランド「Mumei(むめい)」は、ケヤキやウォルナットの質感が心地よいカッティングボードに加え、本格的なオー・ド・トワレも展開。香りは2種類で、一つは木工所に入った瞬間に包み込まれる、木のすこし甘さのあるさわやかな香りを表現したもの、もう一つはスモーキーで鉄の匂いを感じさせるような、ものづくりのまち燕三条の姿を香りで表現したものです。
どちらも香りに奥行きがあり、ずっと愛用していきたくなるようなもので、フェアでも隠れた売れ筋となりました。
他にも株式会社朝倉家具の魚沼産ブナを使ったトングや、有限会社いづみ商会の透明な塩ビを利用したビニールの花瓶など、多様な素材やアイデアが形になった商品が並びました。
燕三条のものづくりが持つ技術力の高さとジャンルの幅広さ、そして未来へと技術を繋ぐ情熱を一度に体感できる品揃えとなり、お客様の目を惹き心に訴えるフェアとなりました。(後編につづきます)